2018 3 26

AIコミュニティイベント vol.3

フクオカAIコミュニティのイベントを開催致しました。フクオカAIコミュニティは、AIを活用した新たな製品やサービスの創出を目指すコミュニティで、AIサービスや活用事例の共有のためのセミナー等の開催や、会員同士(AIサービス事業者とAIを活用したい事業者)のマッチング等を行っています。

<第一部>
株式会社グランドビジョン 中尾 賢一郎 社長

株式会社グランドビジョン 中尾 賢一郎 社長

AI活用プランニングは、これまでのノウハウをAI化する設計と、人間との役割分担に肝

グランドビジョンは、クライアントの課題を解決する事業プロデュース集団です。
テレビCMの制作や広告出稿といったプロモーションから、コールセンター運営、ブランディング、商品企画、WEBコンサルティング、事業コンサルティングまで、支援の幅が非常に広いのが特徴。「広告代理店」の枠にとらわれず、クライアントの抱える本質的な事業課題を突き止め、必要な解決策を実行することを目指しています。

本日は、グランドビジョンがリリースした広告レスポンス予測サービス「GAM(ギャム)レポート」について、お話いたします。

グランドビジョンの事業の柱として、通販会社様のプロモーション支援がございます。なかでも大きな強みが、インフォマーシャル(通販番組)の制作とメディアバイイング(広告出稿)。例えばクライアントから「ある健康食品をテレビで売りたい」と相談があれば、想定するターゲットに対して企画を練り、番組を制作。さらに、制作した番組を「いつ」「どの放送局」で流せば効率的にレスポンスがあるかを予想して、最適な広告枠を買い付けるのです。

私たちがAI化を目指したのは、メディアバイイングの部分。これまでは担当者が過去の実績から傾向を読み取ってレスポンス予想をしていましたが、結果的に予想通りにいかず、クライアントにご迷惑をおかけすることもあります。
そこで、過去実績の分析にAIを活用することでレスポンス予測の精度を上げ、クライアントの利益を最大化することができるのではないか。さらには弊社やクライアントの業務自体も効率化し、人的リソースをもっと最適化できるのではないか。ということで、社内にAI企画室を立ち上げ、グルーブノーツさんのマゼランブロックスという機械学習プラットフォームの運用を始めたのです。

AIを活用すると言うと、まだまだ身近じゃないこともあり、社内での不安やクライアントからの不信感なども正直ありました。そういうなかで、もちろんビジネスチャンスがあるという気持ちもありますけども、「グッドライフイノベーション」、AIに任せられる部分は思い切って任せて人間は人間で素晴らしい人生を、というビジョンを立てて、開発を続けました。
予測精度を上げるためには、適正な因子の組み合わせを見つけるテストを何百回も繰り返しました。どのようなデータをAIに学習させるかという判断は、人間が携わるところであり、誰がやってもうまくいくわけではない。これまでメディアバイイングを行ってきた自社のノウハウを活かしながら、少しずつ精度を上げていきました。

今年の2月にリリースした「GAMレポート」は、広告レスポンスを90%以上という高い精度で予測することができるサービスです。担当者の経験をAIに機械学習させることで、AIが人間を超えた事例と言っていいでしょう。

広告枠を買い付ける前に、事前にレスポンスが把握できる。これはクライアント企業から見ると、経費が下がり効果が上がる、ということです。
費用対効果の低い広告枠への出稿を避け、これまで思いもよらなかった良枠を発見し、予算を投下できる。さらにいえば、番組を見た方から電話を受けるコールセンターの人員配置も最適化できますし、レスポンス予測のノウハウをAIに蓄積することで、人材流出のリスクにも備えられる。クライアントにとってのメリットは計り知れないと思います。

グランドビジョンとしても、「GAMレポート」というサービスで新たなクライアントとの出会いやビジネスチャンスが生まれました。また、AIが得意な仕事はAI化して、人は営業や企画といったより人間的な業務に注力するという文化が社内に生まれつつあります。これまで蓄積したノウハウを、いかにAIに任せていくか。そのチャレンジの結果、新しい価値のあるサービスが生まれるのだと思います。

<第二部>
株式会社パソナテック 西日本支社 夏谷 実 様

エンジニア人材の育成の鍵は、地域コミュニティと多世代チームビルディング

株式会社パソナテックが、エンジニアの人材育成をどうやってやってきたか、をご紹介したいと思います。

ディープラーニングを業務で使う上では、様々な問題がありますが、各社共通してあるのが人材の課題です。弊社も最初は経験者0からスタートしましたが、今は10名体制で運用出来ています。

まず最初にやったことは、その地域でやってる勉強会に参加しました。僕の場合は、GDG神戸という神戸でやってるGoogleデベロップメントグループで最初にディープラーニングに興味をもち、そのあと兵庫県のソリッドデータ道場にて、とりあえずツールを使って何かやってみようと取り組みました。素人なりに頑張って形にすることができたのが結構自信になったと思います。

次に、チームビルディングですね。
実際、ディープラーニングで業務をするためにどんな知識が必要かというと、英語や数学などのアカデミックな知識、Pythonやデータ加工に伴うプログラミングのコーディング能力、従来の業務に対する知識と、プロジェクトをマネジメントするスキル、と、幅広く必要になってきます。

こういう幅広い知識をどうやって身につけるかが課題になってくるんですが、弊社の解決策としては、チームビルディングでした。50代のエンジニアと、20代30代の若手とでチームを作りました。なぜ50代かというと、50代エンジニアはひとつ前のAIブームを知ってるんです。昔、興味あったんだけどブームが流れちゃって、今またブームでAIやりたいって人は結構いるんです。英語の論文や数式も十分読めますし、既存のビジネス、お客さまとの折衝も得意。ただ、今から新しい言語を覚えるのはちょっと辛いとか、ディープラーニングのフレームワークを開発するとなると、新しい情報がどんど出てくるので、それについていくのが大変だったり、実際に手を動かすのは若干遅い、などが課題でした。

そういうところは、若手のエンジニアにふって、勢いや手を動かすところを分担して行うんですね。50代はプロジェクトマネージメントや、中長期的な課題に取り組み、若手は短期的な課題や、新しい技術の試行、手を動かすところを分担して、うまくいっています。
人事評価でもAI業務が非常に楽しい、と社員が言ってくれてます。

次は、社内のコミュニティの構築です。まず行ったのが、社内で情報が一箇所に集まるようにslackを立ち上げて、直接顔を合わせなくても、技術的な質問や相談が可能になり、一人で悩むことがなくなりました。また、教科書を決めて同じ知識を身につけていくようにしています。

その次は社外のコミュニティですね。
AIについては、本当に東京一極集中で、大阪や横浜でもほとんどイベントがないんです。パソナテックの思いとしては、地方で東京の人が羨むようなイベントをやろうと思って、関西で様々なイベントを開催してきました。
福岡でも、博多テック塾を起こして、6月にものづくり系、Raspberry_piでディープラーニングを動かすイベントをやってみようと思っています。また、Tensorflowの九州支部をやってくれる人も募集していますので、是非手を上げていただければと思います。
2018年には、パソナテックで育成トレーニングコースを開発し、人材育成と、独自フレームワーク開発を中心に事業を展開していく予定です。

まとめですが、ディープラーニングを業務で取り扱うにあたっては、まずは社外のコミュニティに参加し、社内でチームを作ってコミュニティに深くかかわっていければ、徐々に人も増やすことができるようになると思います。

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